相続の戸籍収集でつまずきやすいポイント|本籍地・転籍・古い戸籍の注意点
相続の戸籍収集では、本籍地が分からない、転籍が多い、古い戸籍が読みにくいなど、途中で迷いやすい場面があります。この記事では、戸籍収集でつまずきやすいポイントをわかりやすく解説します。

本籍地・転籍・古い戸籍の注意点相続の戸籍収集でつまずきやすいポイント

相続手続きで必要になる戸籍は、家族構成や戸籍の内容によって範囲が変わります。
被相続人の出生から死亡までの戸籍を集めることが基本ですが、実際には、本籍地や転籍、
古い戸籍の読み取りなどで迷う場面も少なくありません。


「本籍地がわからない」
「どこの役所に請求すればよいかわからない」
「古い戸籍の文字が読みにくい」
「兄弟姉妹が相続人になる場合、どこまで集めればよいかわからない」

このようなお悩みは、戸籍収集でよくあるつまずきです。
この記事では、相続の戸籍収集でつまずきやすいポイントについて解説します。


戸籍収集の基本は、被相続人の戸籍をたどること

相続手続きで戸籍を集める目的は、法律上の相続人を確認することです。
そのため、まずは被相続人、つまり亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集めます。


死亡時の戸籍だけでは、過去の婚姻、転籍、養子縁組、認知、子の有無などを確認しきれないことが
あります。そのため、戸籍をさかのぼりながら、被相続人の身分関係を確認していきます。


戸籍収集の基本的な流れについては、別の記事でも解説しています。
▶「相続手続きに必要な戸籍収集の流れ」はこちら


つまずきポイント① 本籍地がわからない

戸籍は、住所地ではなく本籍地のある市区町村で管理されています。
そのため、今住んでいる場所と本籍地が違う場合には、住所地の役所ではなく、本籍地の市区町村役場に
請求する必要があります。


ここでつまずきやすいのが、そもそも本籍地がわからない場合です。
本籍地がわからない場合は、本籍地入りの住民票を取得することで確認できます。
住民票を請求するときに、本籍地の記載を入れてもらうようにします。


ただし、相続で必要になる戸籍は、現在の本籍地の戸籍だけで完結するとは限りません。
死亡時の戸籍を取得したあと、その戸籍に記載されている従前戸籍や前の本籍地を確認しながら、
さらに前の戸籍へとたどっていくことがあります。


つまずきポイント② 転籍していると請求先が複数になることがある

被相続人が何度も本籍地を移している場合、戸籍の請求先が複数の市区町村にまたがることがあります。
戸籍は、本籍地ごとに管理されています。
そのため、ある市区町村で取得した戸籍に、前の本籍地が記載されている場合には、次はその前の本籍地の
市区町村に請求することになります。
たとえば、死亡時の本籍地が土岐市だったとしても、その前に名古屋市、さらにその前に別の市区町村へ
本籍を置いていた場合には、それぞれの役所に戸籍を請求する必要が出てくることがあります。


このように、戸籍収集は一か所の役所だけで終わるとは限りません。
取得した戸籍の内容を確認し、どこに次の戸籍を請求すればよいかを読み取ることが大切です。


つまずきポイント③ 除籍謄本や改製原戸籍が必要になることがある

相続手続きでは、現在の戸籍だけでなく、除籍謄本や改製原戸籍が必要になることがあります。


除籍謄本とは、その戸籍にいた人が全員いなくなった戸籍のことです。
たとえば、死亡、婚姻、転籍などによって、その戸籍に誰も在籍していない状態になると、除籍となります。
改製原戸籍とは、法改正や戸籍の様式変更などによって新しい戸籍に作り替えられる前の戸籍のことです。


相続手続きでは、被相続人の出生から死亡までの身分関係を確認する必要があるため、
現在の戸籍だけでなく、こうした古い戸籍も取得することがあります。
「戸籍謄本を取ったからこれで終わり」と思っていても、実際には除籍謄本や改製原戸籍が
不足していることがあります。


つまずきポイント④ 古い戸籍は読みにくいことがある

古い戸籍は、現在の戸籍と比べて読みにくいことがあります。
手書きの文字や旧字体が使われていたり、現在の戸籍とは記載の形式が異なったりするためです。


戸籍には、出生、婚姻、離婚、養子縁組、認知、転籍など、さまざまな事項が記載されています。
その中から、相続人の確認に必要な情報を読み取っていく必要があります。
特に古い戸籍では、続柄や家族関係の記載が現在の戸籍と違う形で表れていることもあり、
内容を整理するのに時間がかかる場合があります。


戸籍は、取得して終わりではありません。
集めた戸籍を読み取り、相続関係を整理するところまでが大切です。


つまずきポイント⑤ 兄弟姉妹が相続人になる場合は戸籍が多くなりやすい

戸籍収集で特につまずきやすいのが、兄弟姉妹が相続人になるケースです。


被相続人に子がおらず、父母などの直系尊属もいない場合、兄弟姉妹が相続人になる可能性があります。
この場合、被相続人本人の戸籍だけでは、兄弟姉妹をすべて確認できないことがあります。
兄弟姉妹を確認するためには、被相続人の父母の戸籍をたどり、父母にどのような子がいたのかを
確認していく必要があります。


また、兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合には、甥・姪が相続人になることがあります。
その場合には、亡くなった兄弟姉妹の戸籍をたどり、甥・姪を確認する必要があります。
このように、兄弟姉妹相続では、確認する範囲が広くなりやすく、戸籍の通数も多くなりがちです。


つまずきポイント⑥ 広域交付だけではそろわない場合がある

令和6年3月1日から、戸籍証明書等の広域交付制度が始まりました。
これにより、本籍地以外の市区町村窓口でも、戸籍謄本等を取得できる場合があります。
本籍地が遠方にある場合や、複数の市区町村に本籍地がまたがっている場合には、便利な制度です。


ただし、広域交付制度を利用すれば、相続に必要な戸籍をすべて取得できるとは限りません。
広域交付は、窓口での請求に限られます。
郵送請求や代理人による請求では利用できません。


また、請求できる人や取得できる戸籍の種類にも制限があります。
兄弟姉妹などの戸籍については、広域交付では取得できない場面もあります。
そのため、広域交付で取得できる戸籍と、各本籍地の市区町村へ個別に請求する必要がある戸籍を
分けて考える必要があります。


つまずきポイント⑦ 郵送請求では書類の不足に注意する

本籍地が遠方にある場合、戸籍を郵送で請求することがあります。
郵送請求では、請求書、本人確認書類の写し、返信用封筒などが必要になることが一般的です。


手数料の支払いは、定額小為替を同封する方法が多く使われていますが、市区町村によっては
クレジットカードやスマートフォン決済などのキャッシュレス決済に対応している場合もあります。
必要書類や手数料の支払い方法は、市区町村によって異なります。
書類に不足があると、役所から確認の連絡が入ったり、追加で書類の送付を求められたりして、
戸籍の交付までに時間がかかることがあります。
郵送で請求する場合は、事前に請求先の市区町村の案内を確認してから送付すると安心です。


つまずきポイント⑧ 戸籍を集めたあと、相続関係の整理で迷うことがある

戸籍収集は、戸籍を取得して終わりではありません。
集めた戸籍を読み取り、誰が相続人になるのかを整理する必要があります。


相続人が確定したら、遺産分割協議を行ったり、預貯金の解約、不動産の相続登記などの手続きに
進んだりします。
また、手続きを進めやすくするために、相続関係説明図や法定相続情報一覧図を作成することもあります。
戸籍を集めること自体よりも、集めた戸籍をどう読み取り、相続関係をどう整理するかで迷うケースも
あります。


まとめ

相続の戸籍収集では、本籍地がわからない、転籍が多い、古い戸籍が読みにくい、兄弟姉妹相続で
戸籍が多くなるなど、途中でつまずきやすいポイントがあります。
特に、被相続人の本籍地が何度も変わっている場合や、兄弟姉妹・甥や姪が関係する相続では、
必要な戸籍の範囲が広くなりやすいです。


戸籍収集は、相続人を確定するための大切な作業です。
戸籍を集める範囲や、集めた戸籍の読み取りに不安がある場合は、専門家に相談しながら進めると安心です。


当事務所では、土岐市・多治見市・瑞浪市を中心に、戸籍収集や相続人調査に関するご相談を
承っております。相続手続きでお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。


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