

ご家族が亡くなると、死亡届や葬儀後の手続き、健康保険・年金関係の手続き、
預貯金や不動産の名義変更など、さまざまな手続きが必要です。
相続手続きは一度にすべてを進めるものではありません。
まずは、遺言書の有無、相続人、相続財産を確認し、必要な手続きを整理することから始めます。
この記事では、相続手続きで最初に確認したいことと、基本的な流れについて解説します。
相続手続きでは、預貯金の解約、不動産の名義変更、車の名義変更、相続税の申告など、
状況に応じてさまざまな手続きが発生します。
ただし、すべての手続きが必要になるわけではありません。
相続財産の内容や相続人の人数、遺言書の有無によって、必要な手続きは変わります。
そのため、最初に確認したいのは次の3つです。
・遺言書があるか
・誰が相続人になるか
・どのような相続財産があるのか
この3つを整理することで、その後に必要となる手続きが見えやすくなります。
相続手続きの全体像を簡単に整理すると、次のような流れになります。
相続手続きを始めるときは、まず遺言書が残されていないかを確認します。
遺言書がある場合は、原則としてその内容に沿って手続きを進めることになります。
一方で、遺言書がない場合や、遺言書に記載されていない財産がある場合には、
相続人全員で遺産の分け方を話し合う遺産分割協議が必要になることがあります。
遺言書には、自筆証書遺言や公正証書遺言などの種類があります。
自筆証書遺言が見つかった場合は、勝手に開封せず、家庭裁判所での検認が必要となる場合が
あります。ただし、法務局の自筆証書遺言保管制度を利用している場合は、検認が不要です。
遺言書の有無によって、その後の手続きの進め方が変わるため、早い段階で確認しておくことが大切です。
次に、誰が相続人になるのかを確認します。
相続人を確認するためには、亡くなった方の戸籍をたどり、法律上の相続人を確定していきます。
一般的には、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集めて確認します。
家族の間では相続人がわかっているつもりでも、戸籍を確認すると、前婚のお子さま、認知されたお子さま、
代襲相続人などが関係する場合もあります。
相続人が一人でも欠けた状態で遺産分割協議を行うと、協議が有効に成立しないおそれがあります。
そのため、相続人の確認は相続手続きの基本となる大切な作業です。
▶「法定相続人とは?」はこちら
相続人の確認とあわせて、どのような財産があるのかを整理します。
相続財産には、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借入金や未払い金などのマイナスの財産も
含まれます。
亡くなった方が生前に支払うべきだった税金、医療費、介護費用などが残っている場合もあるため、
プラスの財産だけでなく、未払いの支払いがないかも確認しておくことが大切です。
主な相続財産には、次のようなものがあります。
・預貯金
・不動産
・車
・株式、投資信託などの金融資産
・借入金、未払い金
・未払いの税金、医療費、介護費用など
財産の内容がわからないまま手続きを進めると、後から財産が見つかったり、遺産分割協議書の作り直しが
必要になったりすることがあります。
そのため、通帳、郵便物、固定資産税の通知書、証券会社からの書類などを確認しながら、財産の内容を
整理していきます。
相続手続きの中には、期限があるものもあります。
すべての方に必要な手続きではありませんが、期限を過ぎると不利益が生じる場合があるため
注意が必要です。
たとえば、相続税の申告が必要な場合は、原則として被相続人が死亡したことを知った日の翌日から
10ヶ月以内に申告と納税を行う必要があります。
また、不動産を相続した場合は、相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を
申請する義務があります。相続登記の申請義務化は令和6年4月1日から始まっています。
・相続税の申告、納税:原則10ヶ月以内
・相続登記:不動産を取得したことを知った日から3年以内
・相続放棄:原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内
相続税の申告が必要かどうか、不動産の相続登記が必要かどうかなどは、財産の内容によって異なります。
早めに全体を確認しておくことで、必要な専門家に相談しやすくなります。
遺言書がなく、相続人が複数いる場合には、相続人全員で遺産の分け方を話し合います。
これを遺産分割協議といいます。
遺産分割協議では、誰がどの財産を取得するのかを決めます。
話し合いがまとまったら、その内容を遺産分割協議書として書面にまとめます。
遺産分割協議書は、預貯金の解約や不動産の相続登記、車の名義変更などの手続きで
必要になることがあります。
相続人全員の合意内容を明確に残すためにも、正確に作成することが大切です。
▶「遺産分割協議書とは?」はこちら
相続手続きでは、金融機関や法務局などに戸籍一式の提出を求められることがあります。
複数の手続きを行う場合、戸籍の束を何度も提出するのは負担になることがあります。
そのような場合に利用できる制度として、法定相続情報証明制度があります。
法定相続情報一覧図の写しは、相続登記の申請手続き、被相続人名義の預金の払戻し手続き、相続税の申告、
年金等の手続きなどで利用できると法務局が案内しています。
利用できるかどうかは提出先によって異なる場合があるため、必要に応じて確認しながら進めると安心です。
相続人や相続財産の確認、遺産分割協議が済んだら、各種名義変更や解約手続きへ進みます。
主な手続きには、次のようなものがあります。
・預貯金の解約、払戻し
・不動産の相続登記
・車の名義変更
・株式、投資信託などの名義変更
・公共料金や各種契約の変更、解約
手続き先によって、必要書類や書式は異なります。
金融機関ごとに提出書類が異なることもあるため、事前に確認しながら進めることが大切です。
なお、不動産の相続登記は司法書士の専門分野です。
相続手続きは、最初に何を確認すればよいのか、迷いやすい手続きです。
特に、戸籍の収集、相続人の確認、相続財産の整理、遺産分割協議書の作成などは、手続きを進めるうえで
大切な準備になります。
当事務所では、相続手続きに必要な書類整理をサポートしています。
「相続手続きで何から始めればよいかわからない」
「戸籍の集め方がわからない」
「相続人や財産の整理から相談したい」
「遺産分割協議書を作成したい」
という方は、お気軽にご相談ください。
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